これからイラストレーターやデザイナーになって仕事を受けて行こうと思っている方の中には「どんな感じに仕事をするんだろう。」「実際、月収ってどのくらいなのかな。」「一日のスケジュールってどんな感じなのか?」と不安になっている方も多いのかと思います。
確かに、目の前が真っ暗にも関わらず職業という一生の相棒を決めるのは中々出来ることではありません。
しかし、実際に上で挙げたような不安を解消できたとしても次は「私(僕)でも出来るかな?」「僕には無理そう。」などと、どんどん不安は出てくるものです。
今回、この記事では先に挙げた「主な仕事内容」「平均月収」「一日のスケジュール」をご紹介します。が!それはあくまでも『平均の値』です。
恐らく、今回の記事を最後まで読んだとしても完全に不安が払拭されるというわけではないでしょう。それでも諦めずに頑張ってください。
目次
まず初めに知っておきたい各相場
まず初めにイラストレーターとデザイナーの各仕事の相場についてご紹介します。
イラストの仕事の相場
イラストの仕事はいくつか種類があり、それにより「平均月収」「一日のスケジュール」がことなりますが、平均します。
以下で各案件毎の紹介もしますのでそちらも合わせでご覧ください。
フリーのイラストレーターの一日のスケジュールの大まかな流れはこのようになっています。
やはり、フリーであってもクライアント(発注先)との連絡はこまめに行わなければならないので、メールのチェックやそれにあたっての修正の作業なども行います。
そして、夜のメールチェックの時間にクライアントから指示を受け、夜のうちに作業すると就寝時間は夜の3時になります。
基本的にどの案件を受けても以下の様な流れで仕事が進みます。(以来の枚数やクライアント側の要望によっては少し異なります。)
- ヒアリング・・・クライアントが望んでいるイメージを正確に聞き出す。
- ラフ描き・・・何パターンも描いておく。
- クライアントがラフの中から選択又は、指示を受ける・・・指示を受けた場合、①へ。
- 描き上げ
- 修正依頼を受け、修正・・・修正依頼を受けた際にもヒアリングを行う。
- 納品
このような流れです。
また、イラストレーターの平均月収は19万円。年収にすると261万円になります。
現在の通常のサラリーマンの平均月収が25万円。年収にするとボーナスを含め400万円程度に対し、少ないと言えます。
さらに細かくイラストレーターの案件別に仕事の流れ、報酬、納品について紹介します。
キャラクター・似顔絵イラスト
キャラクターや似顔絵はポージングを変えたものや、配色が違ったものなど、何枚か同時に依頼を受けることがあります。その場合には一枚一枚丁寧にヒアリングをしましょう。
ヒアリングがおろそかだと後々修正が大変になります。
報酬の形態はイラストレーターさんそれぞれで違ったり、クライアントさんによって様々ですが、基本的には一枚当たりで受け取ります。
相場も用途にや工数(イラストレーターさんの時給)によって異なりますが、3,000~30,000円程です。
Web広告イラスト
WEB広告は、インターネット上で見ることが出来るサイトやメールに掲載されている広告をさします。
Web広告のイラストでは特に納品するイラストのサイズに気を付けなければなりません。
クライアント側はイラストに関して無知な場合がほとんどですし、もしかしたら画像編集ソフトもろくに触れないかもしれません。
後で、「あ、もっとサイズ小さくして。」などと面倒くさくならない様に初めのヒアリングでサイズを念入りに確認しておきましょう。
また、クライアント側もWeb広告のイラストは何度も変えて行くため少し報酬は少なくなります。
一枚当たり、3,000~10,000円が相場です。もし3,000円を切るような依頼が来たらそれは切るべき「赤字案件」です。
(電子)書籍表紙・挿絵イラスト
書籍の表紙や挿絵のイラストの仕事では修正の回数は他の案件と比べるとかなり多くなります。
書籍はその著者から依頼が来ることがほとんどです。著者も自分の作品の一部になるイラストですからこだわりを持ちます。
そのため、ヒアリングで確認した内容通りに制作しても修正を受けることが多々あります。(自分に置き換えて考えてみると分かりやすいですね。線の一本を5回も6回も修正する時ってありませんか?)
その分報酬も一枚の挿絵でも5,000~20,000円とボトムが高いです。
さらに付加価値として「書籍の表紙描きました。」というのはイラストレーターとしては拍が付きますね。(著作権に関しては気を付けなければなりませんが。)
デザインの仕事の相場
デザインの仕事もいくつか種類があり、それにより「平均月収」「一日のスケジュール」がことなりますが、平均します。
以下で各案件毎の紹介もしますのでそちらも合わせでご覧ください。
フリーのデザイナーの一日のスケジュールの大まかな流れはこのようになっています。
フリーのデザイナーはイラストレーターと比べると朝が早い印象です。
それもデザイナーの中には会社に勤務している人もいますので、その方と時間帯を合わせた方がクライアント側も対応がしやすのです。
そして、デザイナーも仕事も基本的には以下のような流れで進んでいきます。
- ヒアリング(打ち合わせ)
- デザインの案出し
- クライアントからフィードバック&ブラッシュアップ
- 出力・校正・完成
- 納品
このような流れです。
何度も修正をすることが予想される場合は必ず、追加料金がかかることを事前に伝えておきましょう。
また、デザイナーの平均月収は24万円。年収にすると288万円になります。
デザイナーも高収入の層が薄く、ベテラン勢が多いため年齢によってはバラつきがあります。
さらに細かくデザイナーの案件別に仕事の流れ、報酬、納品について紹介します。
グラフィックデザイン
まずは、商品の宣伝を行いたいメーカーや、その依頼を受けた広告代理店、出版社などから依頼を受け、ヒアリングで商品情報や企画意図、ターゲットなどを確認します。
そしてその内容に合わせ、クライアント側と相談しながら進めてい行きます。
グラフィックデザインの場合、どの用途で使うのか又は、使う可能性があるのかを正確に把握しておきましょう。
報酬の相場は大きさや用途、工数によりますが、10,000~50,000円が相場です。
加えて、追加料金を貰う場合もあります。(事前に伝えておく)
Webデザイン
Webデザインとはサイトをより見やすくするためにサイト構造からデザインまでを手掛けることを言います。
仕事の流れは基本的にはどのデザイナーとも同じですが、Webデザイナーの場合はプログラミングを用いてコードを書いて行かなければなりません。
そのためには「これでOK!」というまで綿密に細部まで打ち合わせをする必要があります。
また、サイトのエラーやバグも無いようにしなければなりません。(納品後にあった場合別途で報酬を貰い直すことも)
つまり、Webデザインというとコードを書くことに意識が行きがちですが、その前の打ち合わせやヒアリングとても重要になります。
報酬の相場はサイトを作るだけであれば50,000円~受けることもあります。
しかし、規模の大きいものであれば、1件で200,000~500,000円の案件も存在します。
CGデザイン
CGとは、コンピューターグラフィックスの略です。CGデザイナーは、コンピューター(パソコン)を駆使してグラフィックスを制作することが基本的な仕事となります。
CGデザイナーの仕事はデッサン画を元に物体の形状データをおこす作業(モデリング)から始まります。次に、コンピューター上の形状データに質感を貼りつけ、画面上に配置をします。
どの角度から見るのかという視覚を設定し、光源を与えて、リアルな形状をつくりあげていきます。形状ができあがったら、さまざまな効果を追加していき、必要であれば動きの設定をして完成となります。
一般的にはこれらの一連の作業は分担して行われます。二次元のグラフィックデザインと比較し、三次元CGの作成は非常に手間がかかり、工数もかかります。
工数が多いということは報酬も他の案件に比べると高くなりますが、あまり需要が無いのが現状です。
アニメーションとかになればそれこそ100万円は超えていきますし、ある一つのパーツにしても50,000~と高単価になります。
イラスト・デザインの依頼を受けるときに気をつける事
今回、紹介しているような受注発注するような案件の場合、お金の決め事で面倒になる場合も多々あります。
中には制作したものを納品したにも関わらず報酬を支払わずに逃げる人もいます。
そうならないためにいくつか注意しなればならないことをまとめました。
クライアントに対するヒアリングの徹底
イラストであっても、デザインであっても仕事の依頼を受ける場合には必ずヒアリングをし、クライアントからの要望の不明点は無いようにしましょう。
後々「ここは〇〇にしてほしかったんだよなー。」など言われて修正しなければいけなくなり、自分の工数をがドンドン増えていくこともあります。
なので、打ち合わせ中はメモやボイスレコーダーを取るなどして聞き漏れの徹底。さらに出来る限り具体的な答えが返ってきそうな質問をするようにしましょう。
報酬の見積もり&追加報酬の予告
仕事を受けることが決まり、一度目の打ち合わせではあなたがどのくらいの時間をかければ作ることが出来るものなのかを明確にしましょう。
その後に自身で作成した報酬の見積もりをクライアントに提出し、事前に「これ(見積書の内容・工数)以上の作業が必要な場合は追加報酬を頂きます。」と予告しておきましょう。
そうすることによって仕事が終わったら「あれ?あの仕事って赤字案件じゃん!」と後悔しなくて済みます。
まとめ
今回はイラスト・デザインの仕事をする人たちの仕事の内容、一日のスケジュール、報酬、月収を紹介しました。
この記事を最後まで読んで「厳しい世界だな」と再確認した方も多いのではないでしょうか。
しかし、それは冒頭でご紹介した通り、当たり前のことです。
もしあなたが本当にイラストレーターやデザイナーになりたいのであれば全力で頑張ってください。