デザイナーになる前にこれだけは知っておきたいフォントの基本や組み合わせ

デザイナーは配置や配色など目に触れる部分全般の仕事を引き受けるのが仕事ですが、文字に関しても知っておく必要があります。

特にフォントや文字の大きさの違いでは全く印象が変わってくるのです。

例えば、真面目な雰囲気を出したい時に丸みのあるフォントを使っては逆効果です。

今回はそのようなフォントの使い方、フォントの与える印象についてご紹介します。

 



フォントの基本

フォント 実例 画像

フォントには様々な種類がありますが、基本的には以下の4つを使い分けることが出来ればことが足ります。

  1. 明朝体
  2. 筆書体
  3. ゴシック体
  4. ポップ体

それぞれ使い方は様々ですが、見る人への印象は以下のようになります。

フォント 印象 かたさ やわらかさ

例えば、比較的「かたいイメージ」を与える明朝体と筆書体ですが、明確に使い分けなどはありません。「やわらかいイメージ」を与えるゴシック体とポップ体も同じです。

後は「与えたいイメージ」や「ターゲット」によって使い分けるのが良いでしょう。

 



フォントを選ぶときに意識すること

フォント 実例 画像

フォントを選ぶ際に必ず意識しなければならないのは、「与えたいイメージ」と「ターゲット」です。

では、かたいイメージを与えるフォントとやわらかいイメージを与えるフォントではどのような「ターゲット」を分けるのでしょうか。

一つずつご紹介します。

 

かたいイメージを与えるフォントのターゲット

細かい説明よりもまず、こちらの以下の例を読んでみてください。

以下は推理小説の一部分です。以下のようなフォントに対してどのようなイメージを持たれるでしょうか。

洋平がそれを耳にしたのは、昨日、成人式で顔を合わせた同級生達の噂話からだ。

噂というものは風のように流れる。

でも、知らずにいればずっと知らないままだし、逆に噂の方が人を選んでいるのではないかと、最近の洋平は考えるようになった。

この時の友人もよそからの又聞きで、噂の無いように対する詳しいことは分からないらしかった。

ただ、洋平がこの時に知ったのは、・・・・・・

見ればすぐに分かると思いますがこの記事の本文とは違うフォントで書いています。かなり印象が違うことが分かりますか。

ちなみにこのフォントは明朝体の一種です。

このような真剣に読むような書籍又は、そのポスターやチラシには「かたいイメージ」を与えるフォントが良いです。

つまり、ターゲットは大人の方となります。

 



やわらかいイメージを与えるフォントのターゲット

実はこのサイトのフォントは「やわらかいイメージ」を与えるようなフォントで書いています。

理由としては、「重要な部分は何度も読み返して欲しいから。」です。

何度も読み返すような文章に「かたいイメージ」を与えたらどうでしょうか。疲れてしまうことが予想されます。

 

つまり、「やわらかいイメージ」を与えるようなフォントは「気兼ねなく読めるイメージ」も与えることが出来ます。

このような教科書や漫画や絵本、又はその表紙、ポスター、チラシなどは「やわらかいイメージ」を与えるフォントが良いです。

 

ターゲットとしては、子供にはもちろん娯楽として文章を読むような大人にまで幅広くなります。

 

フォントの特性を活かした実例

フォント 実例 画像

「かたいイメージ」を与えるフォントと「やわらかいイメージ」を与えるフォントの違いが分かったところで、実際にはどのような使われ方をしてるのでしょうか。

本の表紙の例を使ってご紹介します。

 

小説「月光類聚」

フォント 例

この本は成年向けの小説です。

本文も比較的難しい表現が多く、読むのに根気のいる小説です。

 

そして月光類聚の表紙。明朝体を少しデザインを変え目新しさを出しています。

このように明朝体はあしらいが多いフォントのため少しデザインに嗜好を入れても印象を変わることはありません。

とても面白いフォントの使い方をしているデザインです。

 



写真集「ピクトさんの本」

フォント ゴシック体 画像

この「非常口」の棒人間を「ピクトさん」と呼ぶことを知っている人は少なかったのではないでしょうか。

この本は可愛そうな目に合っているピクトさんの写真が集められていて「可愛そう」と言いながら少し「クスっ」としてしまうような写真集です。

 

この本の表紙にはゴシック体が使われています。やはり娯楽向けの本には気軽に読めるような「やわらかいイメージ」を与えるフォントが良いです。

 

フォントとフォントを組み合わせる

フォント 組み合わせ 例

フォントを2種類以上使ったデザインは目につきやすい。

しかし、組み合わせの場合にはフォントのサイズや種類に注意をしなければいけません。

初めは「かたいイメージ」を与えるフォント同士、「やわらかいイメージ」を与えるフォント同士で組み合わせて使ってみましょう。

 

また、上の画像のように文字の線が太いフォントと細いフォントを組み合わせることで、一つのデザインの中にコントラストが生まれ、より目に付きやすいものになります。

 



まとめ

フォント まとめ 画像

まず初めに覚えておきたいのは「かたいイメージ」を与えるフォントと「やわらかいイメージ」を与えるフォントの2種類が存在し、それはそれぞれターゲットと使い方が異なるということ。

そして、加えて2種類以上のフォントを使ったデザインは文字の線の太さや細さなどを上手く使うことでコントラストを生み出すことができる。

その結果、1枚のデザインで1種類のフォントよりも、より人の目に留まりやすいものになる。

 

初めは「どれが正解なのか分からない。」など、迷うことがあると思います。

しかし、デザインに正解はありません。あなたがフォントを使ったデザインをしていき、経験によってよりよいデザインを制作することが出来ます。

難しくくじけそうになることもあると思いますが、頑張ってください。

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