デザイナーが名刺作成の仕事を依頼されたときの流れのすべて【永久保存版】

デザイナーとして活動していると、「新しい名刺が必要になったから作って」といきなり名刺の作成を依頼されることがあります。

 

そんなときに「私はやった事がないので出来ません」と言って、せっかくの仕事を逃してしまってはもったいないですよね。

ですので、この記事ではあなたに名刺作成の依頼が来てもいつでも受けられるように「名刺作成の流れのすべて」をご紹介します。

 

名刺の重要性

名刺 重要性

あなたはもちろん名刺というものを知っているとは思いますが、具体的にどういったものなのか説明するのは意外に難しいと思います。

一言で名刺と言っても、名前だけのものもあれば、住所や会社名や座右の銘など様々な情報が載っている名刺あります。こう考えると、名刺って何?と一言ではまとめられないですよね。

 

しかし、名刺というのはあの「たった一枚の紙」でその人に仕事が依頼されたり、その人の人脈が広がったりするとても重要なものなのです。

 



そもそも名刺とは

「名刺は、自己紹介の一環として交換されたり、職業上の儀礼のために手渡されるものである。一般的に氏名を最も強調し、所属(いわゆる肩書き)・連絡先(電話番号・所在地など)を記載する。中には証明写真や、ウェブサイトのURL・メールアドレスを記載しているものもある。」

参照:ウィキペディア

 

つまりは、自分の主要な情報をまとめたものということになります。

会うひと、会うひとすべてに「あなたは何をやっている人ですか?」「どういう事ができるのですか?」と聞くことは不可能です。そこで名刺があれば、その人がどういう人なのかを大まかに判断することができます。

 

名刺はその人の武器

名刺に名前を記載しているだけの人もいますが、それでは相手に十分に自分を認知してもらうことはできません。

何か仕事を依頼したい時に、名刺の中からその仕事ができる人を探して依頼をする場合もあります。名刺に自分がどんなことができるかを書いておけば、目に止まり仕事をいただける可能性も高まります。

 

また印象強い名刺を使っていれば、会話が続きづらい初対面の人とでも「面白い名刺ですね」なんて話のネタにもなりますし、次あった時に「あ、あの名刺の人だ」と自身を印象付けられる可能性も高まります。

 

「たった一枚の紙」ですが、仕事の依頼を増やす、人脈広げるなどビジネスにおいて大切な役割を果たすもの、それが「名刺」です。

あなたが持っているデザイナーとしてのスキル、それを使えば「いい名刺を作れる」可能性があります。それなのに名刺の作り方が分からない為に作れないなんてもったいないです。

 



名刺の依頼から納品までの流れ

名刺 作成 工程

ここからが本題の「名刺作成の流れ」です。

あなたやクライアントの状況しだいで、名刺のデータまでを作成するのか?それとも印刷までなのか?などの違いは出てきますが、以下の流れを理解すれば名刺作成の依頼が来た時に困るという事はまずないでしょう。

 

ヒアリング

名刺作成の依頼を受けたらまずする事は、ヒアリングです。どんなにいいデザイナーでもヒアリングがうまくできないと、クライアントの満足のいく名刺を作ることは出来ません。それほどヒアリングというのは重要です。

ですので、ヒアリングでは最低でも以下のことは聞きましょう。

 

目的

クライアントがどんな目的で使う名刺を依頼してきたのか聞きます。

目的が分からなければ、名刺にどんなことを書けばいいか分からないからです。

 

せっかくすばらしいデザインの名刺を作る事ができても、その名刺が目的を果たせない名刺である事はクライントを満足させることはできません。今やっている事業を知ってもらいたい、会社を知ってもらいたい、自分というものを知ってもらいたいなど、同じ人の名刺でも目的によって書くことが変わってきます。

 

また、その人がどんな人に名刺渡そうとしているのかによっても書くことが変わってきますし、デザインも変わってくるでしょう。ザ・ビジネスマンというような人に渡す場合、あまりカジュアルな名刺は相手に不快感を与えてしまいますが、新しい事にドンドン挑戦した若者に渡すものであれば、カジュアルで面白い名刺がいいときもあります。

 

このように、その名刺がどのような目的でどのような人に渡すのかによって、その名刺のデザインや書くことが変わってきます。

 



予算

名刺 予算

クライアントはデザイナーに仕事を依頼する時の相場が分かっていないことが多いです。そのため人によって名刺作成にかけられる予算というものには、ずれが生じます。

もしかしたら、クライアントの考えている予算があなたの考えている予算よりも低いとき、場合によっては、本心では作ってあげたいという思いを残しながら断るしかないこともありえます。

 

逆にクライアントの考えている予算が予想よりも多い場合、より多くの時間や労力をかけることができて、いつも以上に質の高い名刺を作成できるときがあります。

 

入れたい情報

先ほどヒアリングで聞いた情報をもとにどんな情報を入れるか決めましょう。まずはクライアントにどんな情報を書いてほしいか聞き、それをもとにその情報が目的を果たす為にふさわしいならそのまま書けばいいですし、ふさわしくないならこちらから案を出すという事も必要になります。

 

自身のサイトを宣伝するための名刺なのに、サイトのURLが書いていないというのは、目的を果たすためにふさわしい名刺とは言いづらいでしょう。

 



納期

「まだ名刺できないんですか?明後日には必要なんですが。」

納期を聞いていないとこういった事が起こる可能性があります。あなたも名刺作成だけに時間をかけられるというわけではありませんよね。納期が迫っている他の案件がある時に、名刺作成の依頼が来る可能性もあります。

 

その時に自分のスケジュールで本当に可能なのかを判断しなければいけません。

本当はもっと質をあげたいけど、納期がすぐの為にあまり時間をかけられないという状況もあるでしょう。

 

また納期も長くて、クライアントの予算も高い場合には余裕を持って、自分の実力をフルに発揮した名刺、またはそれ以上の名刺を作成することもできます。

納期が決まっていないとこういった判断ができません。

 

その他

ヒアリングのときに以上の事を聞いておけば大抵は問題なく、名刺作成ができるでしょう。

しかし、状況によって必要なヒアリングもあります。

 

クライアントの依頼が特殊なものであれば、クライアントから要求を提示されることも多いですが、あなたがデザイナーとして依頼を受けるときに、自ら聞けるような知識を持っていても損はありません。

 

例えば『修正は何回まで可能か?』という事。

クライアントが強いこだわりを持っている人であるならば、修正が何度も何度も来ることも考えられます。

 

その時に修正は何回まで可能か?又は修正1回いくらか?などを決めていいないと、割に合わない依頼になってしまったり、名刺作成が終わらず、あなたの次の仕事に支障をきたしてしまう可能性もあります。

修正の事をキチンと決めておくだけで、このような状況には防げます。

 

他には、名刺のデザインのデータを送るまでの依頼なのか、印刷して納品するまでの依頼なのかなども、聞いておけば後々トラブルになる可能性を防げます。

 



デザインの提案

デザイン 提案

ヒアリングが終われば、いよいよ名刺の作成に取り掛かります。ヒアリングでクライアントの情報をいろいろ聞きだしたので、ここでどんな名刺を作ればいいかをあなたは理解しています。あとはその頭の中のデザインを形にすればいいだけです。

 

しかし、ここで1つ気を付けなければならない事があります。

 

あなたもクライアントも、人なので完全に相手の頭の中を理解することは出来ないという事です。そのため名刺のデザインを完成させクライアントに提示した時に「え?私がイメージしていたのとは、違うんですが?」という事がよく起きてしまうのです。

 

あなたがヒアリングでいろいろ聞き出してくれたら、クライアントはもう自分の頭の中にある事は、完全に理解したと勘違いしてしまいます。普通に考えたらそんなことが不可能なのに。

ヒアリングで多くの事を聞き出せますが、それには限界があります。しかし、その限界を超える簡単な方法があります。

 

「一緒にサンプルを見る」という事です。

サンプル 見る

 

名刺のサンプルはネットで検索すれば出てきます。

「おしゃれな名刺デザイン26選。現役デザイナーがこだわりポイントを徹底解析!」

こういったサイトを参考にして、ヒアリング聞いた情報をもとにクライアントの要求を満たせそうなサンプルをいくつか提示して、一緒に見てください。それをすると、あなたとクライアントのイメージのずれがなくなって、クライアントのイメージ通りの名刺を作成することができます。

 



見積り

価格の決め方が分からない。そう思いませんか?多くのデザイナーも最初はそこで悩みます。なぜなら、自分がどのくらいの価格で依頼をとれるか、自分自身の過去のデータがないからです。

 

そんなときは、他の名刺制作をしているデザイナーや会社などの相場を参考にしましょう。

「ショップカードデザイン・名刺デザイン制作料金 (印刷費用・送料込)」

自身の労力のほかに、印刷を行うならば「印刷料」、郵送するなら「送料」がかかります。そういった事を考えて見積りを提示しましょう。

 

そして、なぜその価格を提示したのかその「根拠」もしっかり提示しましょう。あなたが価格を決める事が難しいのと同じように、クライアントも価格の相場が分かっていません。

 

ただ「1万円」と提示するデザイナーと、デザインに7000円。印刷料に2000円、送料に1000円かかるので「1万円」と提示するデザイナーどちらのほうに依頼をしやすいか言うまでもありません。

 

入金

名刺 入金

見積りであなたとクライアントが納得のいく金額が決まったなら、次に行う事は「お金をもらう」という事です。

大切な「お金」のことなので、あたりまえですが口座番号など間違えないようにしましょう。

 



名刺作成

ここはあなたの得意なデザインが力を発揮するところです。自分の力をフルに発揮できるように、名刺を作成しましょう。

ヒアリングで聞いたこと、一緒にみたサンプルの情報も忘れてはいけません。

 

確認・修正

名刺作成を行ったなら、クライアントに確認をとってもらう工程に入ります。

メールなどでデザインのデータを送り、クライアントに確認してもらいましょう。

修正を要求されることもありますが、あなたはヒアリングでクライアントの要求をしっかりと頭に入れて、名刺作成を行ったので、可能性は低いでしょう。

 

中にはこだわりの強いお客さんもいます。もし、修正の依頼が来たら、そこはあなたに実力の見せ場です。そのクライアントを納得させることができれば、報酬のお金以上にあなたのデザイナーとしての成長という価値を得ることができます。

 

印刷

あなたがたくさんの労力をかけて、作り上げてきた名刺をいよいよ現実の「形」にする工程です。

以下のようなところに名刺の印刷を頼みましょう。

「名刺印刷|ネット印刷のラクスル」

 

納品

ついに最後の工程です。

完成した名刺をクライアントに郵送や手渡しで納品して、名刺作成の依頼でやるべきことはすべて終了です。

以上の工程をしっかりとこなせば、あなたの作った名刺がクライアントに多く価値をもたらしてくれることでしょう。

 



名刺の受注を増やす3つのこと

名刺 受注

ここまで読んでくださったあなたは、いつ名刺作成の依頼が来てもスムーズにこなせる知識があります。しかしその知識を発揮して、実際にあなたが名刺作成を行うためには、「受注」がなければ始まりません。稼げなくて困っている人は、受注が無くて困っています。

あなたがそんな状態に陥らないためにこの「3つのこと」をしてください。

 

1、見込み客を増やす

見込み客というのは、今はクライアントではないけど、将来クライアントになる可能性のある人の事です。見込み客が増えれば確率的にその中から将来クライアントになってくれる人を増やすことができます。

「見込み客を増やせたら、誰も苦労しない」

確かに見込み客を増やすという事は簡単ではありません。しかしだからと言ってあなたができることがないかと言われれば、そうではないんです。

 

以下の事は誰でもできることですが、やるのとやらないのでは見込み客の人数は大きく変わってきます。

それは『自分を宣伝する』という事です。

あなたがどんな名刺を作れるのか、それを多くの人に知って貰えれば当たり前ですが、将来その中からクライアントになってくれる人も増えます。

 

方法としては、SNSで自身を宣伝する、見込み客がたくさんいそうなイベントに参加する、知人に自分を宣伝してもらうなどがあります。

SNSでの宣伝については

【Twitterでイラストの投稿に「いいね」を10倍増やすテクニック】

【Instagramでイラスト投稿するだけで「いいね」で溢れファンを100人作る方法】

【フリーランスの仕事が3倍に激増するFacebookの上級者向け使い方】

などで活用する方法を紹介しているので、是非ご覧ください。

 

多くの人に自分を知って貰えれば、その人数に比例して見込み客は増えるといっても過言ではないでしょう。受注がたくさん欲しいならば、自身を宣伝するという事を忘れてはいけません。

 



2、リピート率を上げる

見込み客よりも高い確率で受注をしてくれる人がいます。それは既存のクライアントです。

スリーシーズという企業のコンサルティングを行っている会社では、一般の人の商談受注確率が30%なのに対して、既存のクライアントからの商談受注確率は65%です。

 

これを見ても既存のクライアントからのリピートがどれだけ重要か分かります。受注してくれる確率が高い人を手放すなんてもったいないですよね。そのためリピート率を上げるという事は大切なのです。

 

デザインのスキルを上げるという事はリピート率を上げる方法のひとつです。

しかしそんな事は、今日明日でできることではありません。今すぐにでもできるリピート率を上げる方法はクライアントの立場になってみれば、自然と分かってきます。

 

あなたが名刺作成を依頼する立場であったときに、どんな人だったらまた頼みたいと思いますか?

「返信が早い、対応が丁寧、そういう人ってまた頼みたいと思いますよね。」

このようにちょっと意識するだけで、リピート率を上げるという事はできます。

受注しれくれる確率が高い既存のクライアントを手放さないためにも、常にクライアントの立場になって考えるという事を忘れてはいけません。

 

3、質の高い名刺を作る

あなたが作った「名刺」はあなたの事を宣伝してくれる「広告」でもあります。

あなたが取引先の人から名刺をもらった時に、面白いデザインやシンプルでカッコイイデザインの名刺をもらったら、「この名刺、誰が作ったんだろう?」と気になるはずです。

 

自分からいきなり初対面の人に「誰に作ってもらったんですか?」なんていうのは聞きづらいですが、「素敵な名刺ですね」なんてその名刺を話題に話していたら相手から「これはあの人に作ってもらったんだよ」なんて教えてくれる可能性もありますよね。

またあなたの友人が、名刺を自慢してきた時なんかは、ストレートに「誰に作ってもらったの?」と聞きやすいと思います。

 

このように名刺はクライアントのためのものだけでなく、自身のための広告としての機能も持っています。いい名刺を作ることは自分のためでもあるということを頭にいれて、質の高い名刺を作ることを心がけましょう。

 



名刺作成で気を付けること

名刺作成 注意点

どんな仕事でもトラブルはつきものです。それは名刺作成も例外ではありません。

しかし、防げるトラブルを起こしてしまうほど無駄なことはないです。そこで名刺作成で起こりやすいトラブルを防ぐ方法をいくつか紹介していきます。

 

デザインよりも先に金額を決める

「え?こんなにかかるんですか?そんな予算はありません。」

デザインを決めてから金額を提示するとこういった事が起きる可能性があります。

 

あなたが何日も費やしてやっと完成させた名刺をクライアントの予算がないという理由で、無駄にしてしまうのは本当にもったいないです。

先に「このデザインなら、このくらいの価格でつくれます」と金額を提示することを忘れないようにしましょう。

 



納品してもデータを消さない

「やっと納品が終わった、データ削除しよう」という人がたまにいます。

でも、納品が終わったあともそのデータが必要になることがあります。

『増刷』と『修正』です。

 

クライアントが納品した名刺が足りなくなったら増刷を依頼してきますし、新しい事業を始めたから一文書き足してほしいとなったら修正を依頼してくる可能性もあります。

その時に名刺を作ったときのデータが残っていたら、すぐにでも名刺を納品できます。無駄な労力を使わないためにも、データは消さないようにしましょう。

 

クライアントの目的は達成できているか

ヒアリングのところでも書きましたが、名刺はクライアントの目的を果たすためのものです。目的を果たせていない名刺というのはどんなにいいデザインでも、いい名刺とは言えません。そこで自分が作成した名刺を「ある視点」で一度見直してみましょう。

 

その視点とは『第三者としての視点』です。

 

例えば、クライアントの名刺を作る目的が「ライターとしての仕事をもらう事」であれば、第三者としてその名刺を見た時に、その人にライターの仕事を依頼と思えるか?という視点です。

 

「自分を認知してもらいたい」という目的であったら、名刺を見た後に頭から離れないようなインパクトのある名刺になっているか?など、クライアントの目的を果たせているかもう一度確認してみてください。

 

もし、直すべきところがあれば修正が必要になりますし、めんどうな作業ですが思い出してください、「いい名刺を作ることは自分のためでもある」という事を。

自分のためにも、「第三者としての視点」で見直すことをしてください。

 



まとめ

名刺

現在では名刺を作りたいと思った時に「無料のテンプレート」などがあって、デザイナーではない素人でも簡単に名刺が作れるようになっています。

最初にも書きましたが、名刺とはその人の武器です。

 

素人が作った武器よりもプロが作った武器の方が強いのは当たり前です。つまり、今多くの人が無料だからと言って自分で名刺を作ろうとしていますが、お金を払ってでもあなたに名刺を依頼するということに、払ったお金以上の価値があると分かってもらわなくてはなりません。

 

その為にあなた自身を宣伝すること、質の高い名刺を作るという意識を忘れないようにしれ下さい。

長くなってしまいましたが、最後まで読んで下さってありがとうございました。

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