イラストレーターとしてデジタルで描く方が良いか、アナログで描く方が良いかという葛藤は今世紀最大の課題と言っても良いでしょう。
特にこれから「絵を描くことを仕事にしよう!」と思っている方は頭を抱えているのではないでしょうか?
「デジタルの方が綺麗に描けるし、複製もできるし…。でも、アナログの方が描き慣れてるし、デジタルでは出せないような味も出せるし…。」
今回はそのような目の前が真っ暗になるような悩みに目印を立てるために『アナログの良さ』と『デジタルの良さ』やそれぞれの描き方で必要なものをご紹介します。
目次
アナログ、デジタルの違い
まず、アナログとデジタルって何なんでしょう?
初めにその認識が間違っているとイラストレーターとして致命的な問題になるので、一度確認しておきましょう。
アナログイラストとは
イラストの業界で『アナログイラスト(アナログ)』とは主に紙など、現実で触れられるものに鉛筆や絵の具、インクで描き込んだものを『アナログイラスト』と言います。
特徴としては本物は一枚しか作り出せないので、Webなどで用いることには向いていません。
デジタルイラストとは
『デジタルイラスト(デジタル)』とはペンタブレット(ペンタブ)や液晶タブレット(液タブ)をPCに繋いで、描いたイラストのことです。
PC上で描くので複製や修正が容易にすることができ、無断添削などの問題も出てきます。
アナログイラストのメリット、デメリット
多くのイラストレーターはデジタルで絵を描くことが多いために、アナログにはデメリットが多いと思っている方が多いですが、メリットももちろん存在します。
自分の絵柄や仕事内容によってアナログとデジタルを使い分けられるようにアナログのメリット、デメリットを確認しておきましょう。
アナログイラストのメリット
アナログイラストのメリットはその作品の希少性が高く、一枚の価値が上がることがあります。
また、デジタルイラストと比較すると紙とペンさえあればすぐに描き始められますし、持ち運びにも苦労しません。
また、自分の画材(絵を描くために必要な道具)にこだわりを持ったり、集めるなどのコレクション要素もあって、イラストレーターだからこそのこだわりを持てる部分もあります。
アナログイラストのデメリット
アナログイラストのデメリットとしては、完全に同じものを何枚も作成できないこと、また修正が困難であることが一番に挙げられます。
紙にペンなどで直接書き込むわけですから、一度線を入れるともう元には戻せません。
また、道具が多くなってくると保管が面倒になります。消しゴムやペンなど小さい物が紛失するというのも多々あります。
「使っている画材、全てを使わなければ描けない」という場合はとても不便でしょう。
デジタルイラストのメリット、デメリット
アナログのメリット、デメリットは分かりましたか?
比較的アナログイラストを描いているイラストレーターが少ない分、「イラストレーターはデジタルイラストを描くのが当たり前だ。」と思っている方も多いのではないでしょうか。
自分はどちらの描き方が合っているかと正確に比較するためにデジタルイラストのメリット、デメリットも紹介します。
デジタルイラストのメリット
デジタルイラストのメリットは、何と言っても修正が何度も行えて、なおかつ複製しWeb上で使用しやすいという点でしょう。
何度も修正することが出来ることで、より完成度の高い作品を作ることが出来ますし、その作品をWeb上にアップロードすることで多くの人に見てもらうことが出来ます。
また、イラストツールを一度買ってしまえば、様々な種類の色やペンを使うことが出来ますし、作品の幅が広げることも出来ます。
デジタルイラストのデメリット
デジタルイラストのデメリットとしては、無視できないのがPCやイラストツールを購入するコストです。
いくらコストを抑えようと、スペック(性能)の低いPCやツールを購入するにしても、作品を仕上げるスピードも落ちますし、クラウドに保存しようにも時間がかかり、結果的には損をしてしまいます。
また、作業場所も充電できる場所でないと、いつ充電が切れるかもしれないという不安が常に付きまとうことになりますし、コンセントに接続していなければ起動も出来ないものもあります。
アナログでイラストを描くときに必要なもの
アナログイラストを描こうと思った時にすぐ描き始めることが出来ると言いましたが、最低限、必要なものはあります。
以下に紹介する画材は必要になるので、チェックが必要です。
- インクペン各種(自分が持ちやすいモノ)
- 鉛筆(下書き用)
- 紙
- 下書き
最低限このくらいは必要でしょう。
他にも用意すべきな物は沢山ありますが、まずは上記の物を揃えてからこだわりを持った方が良いでしょう。
デジタルでイラストを描くときに必要なもの
デジタルイラストは必要な物の数は少ないですが、それぞれの価格がピンキリです。
まず、手ごろな値段の物を揃えてから追加で買い足すのが良いでしょう。
デジタルイラストを描くために最低限必要な物は以下の通りです。
- PC本体(ノートパソコンでもデスクトップパソコンでもOK)
- イラストツール
- タブレット本体
基本的には上記の物さえあればイラストレーターとしては十分です。
後はタブレットはペンタブなのか、液タブなのか。など細かいところは後々比較してみると良いでしょう。
アナログだからこそできる仕事とは
デジタルに比べると仕事の幅は狭まりますが、アナログだからこそできる仕事というものあります。
- 似顔絵
- 色紙販売
- 絵本の執筆
似顔絵も色紙販売も「私のために描いてくれた!」というところにニーズがあるのでしょう。
絵本もデジタルイラストで描かれた絵本があまり見かけたことないですよね。(ちなみに子供に人の温もりというものを感じさせるためにアナログで描いているそうです。)
「デジタルしか仕事が無い」というのは思い込みです。ネットで検索してみると意外と依頼があったりします。
デジタルだからこそできる仕事とは
デジタルイラストの仕事は沢山あります。しかし、イラストレーターの数は増えているのでどんなものがあるのかを知らなければ仕事は取れないでしょう。
デジタルイラストの主な仕事を紹介します。
- ゲームキャラクターなどを描く
- 小説(ライトノベルなど)の挿絵・表紙などを描く
- 広告(チラシなど)のイラストを描く
- 個人・企業のサイトのキャラクターを描く
- テレビ・企画等で使われるイラストを描く
基本的には既にあるモノの価値を上げることがデジタルイラストには求められていると言えます。
また今ではゲーム関連でイラストのコンテストなどを行う企業も少なくないので、気軽に応募できます。
まとめ
これからイラストレーターを目指す方は「デジタルで描こうか…。それともアナログ…?」と悩むことになると思います。
デジタルにはデジタルの良さがあり、アナログにはアナログの良さがあるのです。
ぜひ、諦めずにイラストレーターへの第一歩を踏み出してください!