企業で働いている人たちと違いフリーランスは、金銭関係のトラブルがあったときに自分が対処しなくてはいけません。法律を1から調べてそういったトラブルを解決するのは非常に手間ですよね。
今回はそういったトラブルを減らし、なおかつ仕事も増やせる魔法の書類「見積書」の書き方や注意点をご紹介します。
目次
フリーランスには見積書が必要不可欠
今回お話しするのはフリーランスの見積書についてですが、見積書というのは実際に仕事をした際に掛かる費用を細かく計算し、クライアント側に提出するものです。
なぜ必要不可欠かと思った方もいらっしゃるかと思います。理由としては主に以下の3つが挙げられます。
- 仕事を増やすため
- トラブル防止のため
- 証拠保管のため
あなたがクライアントだとしたら、見積書にて詳細な数字を出されて「5万円です」と言う人と、チャットやメールで何の根拠もなく「5万円です」と言う人。どちらを信頼し仕事を発注しますか?
そして見積書を出さずに仕事をすれば相手との認識の違いから大きなトラブルに発展してしまうかもしれません。
何よりも、「双方がこの金額で納得したという証拠」にもなります。
仕事も取れてトラブルも減らせる。こんな便利な書類を作らない手はないと思いませんか?
見積書の作り方
見積書の作り方として一般的な方法は「テンプレートを使用する方法」です。
インターネット上にはプロが作った見積書テンプレートが転がっていますのでこれを利用しましょう。
個人的にはMFクラウド請求書 見積書テンプレートがおすすめです。
モノクロやカラーなど様々な種類のテンプレートが選べるため用途に応じて使い分ける事が出来る上に、金額を入れると、合計金額や消費税を自動計算してくれるため非常に便利です。
ダウンロードした後はエクセルで実際に必要事項を記入していきましょう。
一般的な見積書で必要な記入事項
見積書自体はテンプレートでも必要な記入事項をしっかり書かなければ意味がありません。
主には以下の16点です。
1.見積り先の宛先:
会社名、屋号を書きます。こちらは誤字脱字があると失礼になりますので、よく注意して書いてください。
2.見積書の発行日:
いつの取引か分かるように正確に年表記から記入しましょう。確認が楽になります。
3.見積書番号:
連続した番号にしておくと後から管理が楽になります。
4.自分の住所・電話番号・メールアドレス:
電話番号やメールアドレスなどは連絡先という意味もありますが、この欄がしっかりしている事が信用にもなります。
5.自分の捺印:
必須ではありませんが、こちらも信用のためある方がいいです。
6.見積書の有効期限:
物価上昇やスキルの上達により、値段を変更しなければいけない場合のため書いておきましょう。またクライアントの決断を早める効果もあります。
7.見積り金額:
税込で記入してください。
8.商品名:
出来るだけ細かくわかりやすく書きましょう。
Web制作の仕事であれば「web制作」だけでなく、「サーバー契約」「word press構築」と書いていった方が親切です。
9.仕事の数量
10.仕事の単価
11.仕事の金額
12.小計
13.消費税
14.合計金額
15.振込先:
必要な場合は書きましょう。
16.備考:
「他の仕事も受け付けますのでご相談下さい」といった内容や既に期間や納品先が決まっている場合、「金額変更の可能性」などがあればこちらに記入しましょう。
イラストレーターにとって必要な見積項目
イラストレーターさんであれば主に
- 書いたイラスト製作費(〇〇のイラスト製作費といった感じ)
- 版権譲渡費(使用期間が決まっている場合はそれも書く)
- 取材費などの経費
が挙げられます。
特に様々な種類のイラストを描く場合は
- アプリ〇〇のイラスト費
- web〇〇のイラスト費
という風に分けて計上してあげると親切です。
デザイナーにとって必要な見積項目
デザイナーでも種類がたくさんあるので、 グラフィックデザイナー・ブックデザイナー・ゲームデザイナー・webデザイナーなど、それぞれ主に必要な費用を書いていきます。ここに書いてあるほかにも交通費や素材費などの経費はその都度ご自身で追加してください。
グラフィックデザイナー
- 企画製作費
- デザイン製作費
キャラクターデザイナー
- 設定製作費
- デザイン製作費
- キャラクターデッサン製作費
ブックデザイナー
- 企画製作費
- デザイン製作費
- イラスト製作費
ゲームデザイナー
- デザイン製作費
- モーションデザイン製作費
- アニメーションデザイン製作費
CGデザイナー
- モデリング製作費
- モーションデザイン製作費
- アニメーションデザイン製作費
webデザイナー
- webサイト設計製作費
- HTML・CSS製作費
- Word press設定費
- その他のページ(トップページなど)制作費
見積書を作成するときに気をつけること
実際に見積書を作る際はその仕事にかかる時間と自分のスキルと相場を考えて値段設定をした方がいいです。
見積書の時点で相手に気を使いすぎて値段を安く設定すると、更にそこから値段を安くされてしまったり、自分の労力に見合わない仕事を受けてしまい、別の良い仕事を逃してしまうなんてこともありますので気を付けて下さい。
まとめ
見積書は数字や文字がたくさん書いてあるため、作るのが面倒くさそうだったり、拒否反応が出てしまう方もいるかもしれません。しかし、扱う金額の大きい小さいに関わらず作ることをお勧めします。
もしあなたが駆け出しのフリーランスなら、見積書を作るだけで技術以外の面で信用を得られるかもしれません。そしてベテランのフリーランスなら尚更その小さい信用が仕事の数を左右するはずです。
まずは見積書を作ることを1つの習慣として仕事の中に取り入れてみましょう。