巷でよく、「フリーランスにとってブランディングは重要です!」「個人のセルフブランディングは最強のマーケティングだ!!」と聞くことも多くなってきて、ブランディングがどれだけ重要なのかが露わになってきました。
しかし、一方で「ブランディングは重要って聞くけど、どうすればいいんだろう…。」「ブランディングの立て方の正解ってあるのかな…?」と悩んだことは無いですか?
確かにブランディングはフリーランスには欠かせないマーケティング手法です。
ですが、ブランディングというと「自分にブランディングが確立されてファンが付くなんて想像つかない」と思考を停止してしまうことが多いようです。
ブランディングというものをイメージしやすいように企業でのブランディングの失敗例と成功例を基に成功方法をご紹介します。
ブランディングには成功法則は無い!?
ブランディングの事例を見ていても「その企業だから成功したんだろう。」と考えてし舞いやすいですが、実際は「その企業だから~」なんてことはないのです。
事例から学ぶことは多く、その事例から「自分であればこういうことかな…?」と、自分に置き換えながら考えると、ブランディングの確立のための成功方法は自然とみてきます。
このまま、成功方法をご紹介する前に企業におけるブランディングの事例を見ながら、自分に置き換えて見てみましょう。
企業の失敗例5選
企業ではブランディングの失敗は大損失に繋がります。その為、慎重に動き始めたはずです。
しかし、それでも失敗してしまったブランディングには何が原因だったのでしょうか。
『BURGER KING』の社名とロゴ変更
アメリカのフロリダ州のマイアミでハンバーガーレストランとして始まったBURGER KING。
日本でも98もの店舗があり、多くの人に愛されていた。
しかし、そのBURGER KINGが一度社名を変更し『FRIES KING』となり、あの目を引きやすいロゴも変えてしまったことを知っていますか?
結果から言うと、大失敗。
社名と企業ロゴの変更をFacebookとTwitterで発表した際も消費者からは「ジョークでしょ?」「何かの嘘ネタ?」っと、困惑の声が上がりました。
大衆ウケに走った『Tropicana(トロピカーナ)』
こちらもアメリカのフロリダ州生まれたオレンジジュースで有名な企業。
日本でも少し高いがそれでもコンビニや自動販売機などで広く、多くの人に愛されている。
そんなTropicanaの一番のこだわりの果汁の美味しさと栄養価の高さ。それを表現していたオレンジにストローが刺さっている斬新なロゴをシンプルなロゴに変更してしたのです。
その結果、「普通のオレンジジュースと変わらない。」「ノーブランドのオレンジジュースを買っているみたい。」という苦情が殺到。
売上は20%も落ち込み、結局ロゴは元に戻された。
『GAP』のロゴデザイン
GAPは日本でも比較的手に入りやすい価格で、今のファストファッションブランドを作った会社でもある。
しかし、そのGAPが2010年に一度だけロゴを変更したのを知っていますか?
そのロゴはとてもシンプルなもので、たった6日間で元のロゴに変更されました。
すぐにロゴを元に戻したおかげで損害は出ていないようですが、当時のことは今でもGAPの黒歴史となっています。
ターゲット以外を締め出した『Dr Pepper(ドクター ペッパー)』
2011年にDr Pepper出した新商品の「Dr Pepper TEN」を知っていますか?
「Dr Pepper TEN」はわずか10キロカロリーしかなにも関わらずターゲットを男性に絞っているというとても斬新なターゲティングでした。
しかし、このDr Pepperの海外のテレビCMではマッチョの男性が崖から飛び降りたり、銃で撃ちあうなどの映像が流れ、「女性は女の子っぽいソーダでも飲んでな。」とほのめかし、ターゲティングをしました。
女性の消費者からは憤りの声が上がり、ネットではターゲティングは良かったが、ブランディングのために女性を締め出すようなプロモーションをしてしまったことが原因だ。と叩かれてしまいました。
パイオニア社の薄型大型テレビ「KURO」
最後にあまり、聞き覚えの無いような事例をご紹介します。
パイオニア社は元々海外進出までしていた大手のAVメーカーで、特に当時販売していた「KURO」はプラズマディスプレイを用いて高画質で薄型なテレビのプロトタイプとして高評価を得ていました。
しかし、2007年にそれまでプラズマ中心だった大型テレビ市場に、技術革新による高画質化と低価格化を遂げた液晶が本格的に参入してきたのです。
その結果、消費者は「KURO」の画質が低価格のテレビと比較が出来なくなり、パイオニア社は10年にも続いたプラズマディスプレイ事業の幕を閉じました。
企業の成功例5選
次は成功事例です。
失敗事例では、「やってはいけないこと」を学びましたが、成功事例では「やってみた方が良いこと」を学べます。(もちろん自分に置き換えて考えるのですが。)
失敗事例よりも学び、知っておいた方が良いことを多いので、是非あなたのブランディングに役立ててください。
KAGOME(カゴメ)の「トマトと野菜のカンパニー」戦略
今では「トマト」と言ったら「KAGOME」と言われる程の認知度を誇っているKAGOMEですが、一度どん底の時期を味わっていることをご存知でしょうか?
KAGOMEは一時期、様々な食品の製造を行おうと、トマトジュースや野菜ジュースの他にもコーヒーや紅茶にも手を出しました。
しかし、思うように売れず、在庫が山のようにあまり、採算効率が下がっていきました。
そこで新しく任命された新社長が経営陣を集め「KAGOMEをどのような会社にしていくか。」「KAGOMEは何の会社か。」という議論を徹底的に行いました。
その結果、KAGOMEは「トマトと野菜のカンパニー」と定義し、「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」というキャッチフレーズを確立し、徐々に経営回復していったのです。
高品質にこだわった今治タオル
今治タオルって知ってますか?
知る人ぞ知る高級タオルですが、過去に海外からの低価格のタオルの参入があり、売り上げ低迷したことがあります。
そこで今治タオルは自社の強みである「安心・安全・高品質」というブランディングを確立し、厳しいながら徐々にその品質の良さの認知度を広めていきました。
今では、「このタオルは今治タオルだから~」とか「洗顔後は今治タオルしか使いません」など、特別視する消費者も多く、リピート率を上げて海外にも進出しています。
戦略のみ!Appleのブランディング戦略
今日本人の半分以上が持っていると言われているAppleのiPhoneですが、実は性能だけを見ると、android携帯の方が良いということを知っていますか?
もしかしたら、この記事もiPhoneで見られているのではないでしょうか。
そんな物凄い普及率を誇っているiPhoneを作っているAppleが行ったブランディングはとても単純なものなのです。
それは、家電量販店で同じフロアーにある製品を全て作るということ。
例えば、スマホ売り場にはiPhone。タブレット売り場にはiPad。音楽プレイヤー売り場にはiPod。PC売り場にはiMacとどの売り場を見てもApple製品を置くようにしたのです。
そして、デザインにもこだわりを入れ、パッと見ただけで「あ、Appleの製品だ」と分かるようにしたのです。
またApple製品間で使える便利な機能を次々と作り出し、客単価を上げることにも成功しました。
あまり知られていないユニクロの仕入れコストブランディング
ユニクロの大ヒット商品である「ヒートテック」が東レとの共同開発で生まれた製品だということは有名な話ですが、実はヒットの理由はそのコストパフォーマンスに隠されていたんです。
ヒートテックは断熱性に優れたかなり高品質な下着にも関わらず、値が張らないことで消費者に広く親しまれています。
しかし、実際にはコストパフォーマンスを実現するために採算ギリギリで「ヒートテック」というブランド力を得るために開発が進められたのです。
ブランド力さえあれば、様々な企業からアプローチが来るということをユニクロは知っていて、強引にも破格の「ヒートテック」を作りだしたのです。
そして、現在はヒートテック以外にも「ウルトラライトダウン」などの商品を作り出し、同時にシンプルで大人っぽい服の売上も上がっている。
ブランドといえばスターバックスコーヒー
日本でも女子中高生を中心に人気のスターバックスコーヒー。『店内全てがブランディング』などとも言われています。
例えば、店内の色はベースカラーの白と茶で統一感を持たせており、アクセントカラーとしては緑を用い、「スタバにいる」という独自の世界観を生み出しています。
また、スターバックスの店員さんのことをバリスタと呼び、会社内でバリスタに関しての試験も取り入れ、より良い接客、より美味しいコーヒーを提供しています。
さらに、凄いのが戦略的にこのようなブランディングを消費者に認知されているということです。
「あ、そんなにこだわっているんだな」と思われることはスターバックスからすればハードルなのですが、期待以上の接客・サービスを提供することで、リピート客を獲得しています。
事例から読み取れるブランディングの成功法則とは?
いかがでしたでしょうか。ブランディングの失敗例も成功例も学びになることは多々あったと思います。
以上の企業事例を参考にして導き出した成功法則をご紹介します。
ブランディングの成功法則3カ条
- ユーザー(消費者・顧客)を第一に想う
- ユーザーに知ってもらう
- ブレない
上記の3つが成功法則です。
どの成功事例も「消費者や顧客により良い物を届けたい。」という想いが感じられたと思います。
そして、その想いから生まれた商品・サービス・理念を知ってもらい、利用してもらう。
さらに、失敗例から分かるように、利用してくれているユーザーが困惑しないためにも「ブレてはいけない」というのが必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。企業の例からでも個人のブランディングに関するヒントは得られることを実感していただけたと思います。
今回以外にも企業の失敗・成功例からあなたの活動に参考となるものはいくつもあると思いますので、見方を変えてみてください。