デザイナーであれば一度は「書店などに並べられる本の表紙のデザインをしてみたい!」と思うと思います。
しかし、本にするためには莫大な費用が掛かっています。印刷費・広告費などなど。
そんな中、何も知識の無い状態では仕事は受注できません。今回はそんなカバーデザインのコツをご紹介します。
目次
表紙デザインのコツ
本の表紙というのは、「書店でお客様がその本を手に取るか否か」を担う、重要なデザインです。
意味のないデザインは逆影響になりますし、シンプル過ぎるとお客様にとってはただの風景になってしまいます。
その為にはそれぞれのデザインのコツや注意点を明確にしながら、デザインを明確にする必要があるのです。
そんな表紙デザインですが、大まかに分けて4種類に分かれます。
- イラスト
- シルエット
- 文字メイン
- 風景写真
もちろん本の内容に寄りますが、それぞれイメージあったもののコツを参考にして下さい。
イラスト
上のような本のデザインがイラストを用いたカバーデザインです。
本のタイトルの「上達」という単語から「階段を一段一段昇っていく」というイメージをし、それを分かりやすく表現しています。
表紙で一段一段の状態・上達度をイラストで表現することで、本を開かずとも「初心者から上級者までが参考にできる本」ということを認識することが出来ます。
つまり、イラストをカバーデザインで用いるのであれば、「本の中身(内容)」を開かずとも分かるようなデザインを目指すと良いでしょう。
シルエット
このような表紙デザインがシルエットを用いたデザインです。
上の画像のように裏表紙を含め一枚の画像にし、シルエットを貼り付けることも良いでしょう。
シルエットをカバーデザインに採用する場合に気を付けなければならないのは「文字」です。
文字は必ず目立つような配色にします。(シルエットが黒であれば白文字、シルエットが白であれば黒文字)
上の画像でも分かるようにパッと見た時に何の画像なのかが分からない場合が多いので、表紙に入れる文字は本の概要が分かりやすいコピーをオススメします。
文字メイン
文字のみのデザインはシンプルになりがちです。
上の画像もタイトルとサブタイトル・著者名のみで構成されています。
しかし、文字だけだとシンプルになり過ぎてしまって書店でも見逃されてしまいます。
文字のみの場合は、フォントを目新しいものにしたり、文字そのもののデザインを変えるようにすると良いでしょう。
さらにサブタイトルを決めることでタイトルのみのデザインよりも幅が広がるでしょう。
風景写真
風景はフリー素材の写真イメージや自分で撮影した写真を使って表紙をデザインします。
タイトルが写真に埋もれてしまわないように、タイトルは配置や色、フォントを良く考えてましょう。
写真の上にタイトルを置くスペースを設けてもスッキリおさまります。
写真画像の荒さは印刷するとかなり鮮明になってしまうので、印刷用の解像度になっているかどうかもチェックしましょう。
かっこいい漫画の表紙3選
漫画の表紙において漫画のキャラクターが描かれるのは当たり前ですが、そのキャラクターがどのようなポージングを取るのか。タイトルはどのような配置をするのか。というにこだわる必要があります。
また、漫画というものは1冊を買って終わりではなく、何冊も買い進めて行くことになります。
つまり、コレクション要素として同じ漫画では統一性を持たせることをオススメします。
今回はカッコいい漫画の表紙から3パターンのデザインを紹介しようと思います。
表紙全体にタイトル配置
このカバーデザインの特徴はタイトルを画像全体に散らばらせ、キャラクターを中心に置苦ことにあります。
キャラクターを目立たせることが出来るので、書店のお客様に対してキャラクター(その巻の主要なキャラクター)を印象付けることが出来ます。
背面いっぱいに太文字
このデザインの特徴は背景を白にし、タイトルもキャラクターも目立たせることが出来るということです。
タイトルが後ろにあり、キャラクターが前にいるのでタイトルが一部隠れますが、それでも構いません。
むしろ、この表紙で気になった人はこの本を手に取り、裏表紙や背表紙を確認するでしょう。ここまでくれば表紙としての役割は100%果たされました。
タイトル中央横配置
キャラクターを中心に置き、それを横切るようにタイトルを置く。このようにすると表紙に安定感が出ます。
キャラは画面の横幅いっぱいまで使って配置させ、タイトルは中央よりも少し下に配置しましょう。
人気雑誌の表紙3選
雑誌にも様々な種類がありますよね。
ファッション雑誌、ニュース雑誌、情報雑誌、インテリア雑誌、フリーペーパーなどなど。
その種類によってデザインも変わってきます。
今回は3種類の雑誌のデザインをご紹介します。
タイトルが上で人物が中央
このように雑誌でインタビューを受けている方を雑誌の表紙にすることは多々あります。
基本的にはインタビューを受けるような方はその時期に一躍有名になった方が多いので、顔を載せるだけで客引きになります。
また、人物の周りにはサブタイトルや見出しを散らすことで、人物の顔から時計回りに視線を誘導することもできます。
実写と作画を組み合わせる
クリエイティブ系なスキルの雑誌や映画・アニメ雑誌でよくある表紙デザインです。
3次元(現実)と2次元(アニメや漫画の世界)の狭間を無くし、異空間を演じています。
そして、二つの間にサブタイトルを入れることで、その異空間の状況を説明しているのです。
上の画像では左側を3次元、右側を2次元とし、各下側には見出しの紹介も次元で分けて紹介し、見やすく配置されています。
可愛くおしゃれなモデルを中央に
ファッション雑誌ではモデルとなる可愛い女性やカッコいい男性にイマドキのファッションをさせ、写真を表紙に用いることが多くあります。
また、人物の向きによって見ている人の視線の動きが異なります。
人というのは人を見るまず顔を見ます。そののちにその体の輪郭を沿うように視線を動かしていきます。
上の画像の場合は左向きなので視線は左下から右下、そして右上と反時計回りで視線が動きます。
この雑誌を手に取る人が次にどこを見るのかを意識してデザインを決めているのです。
思わず手に取ってしまう小説カバーデザイン2選
小説というのは挿絵があるものもありますが、基本的には読者の想像力によってその世界が作り出され、登場人物が生まれます。
そのきっかけとて、小説の表紙デザインはとても重要な物です。
人物のイメージを用いたデザインにするのか。世界観をデザインにするのか。意識してデザインしましょう。
タイトルから連想される関係のある画像・イラストを用いる
何も無いところから世界をイメージすることは簡単ではありません。
この上のような表紙はタイトルの裏に画像やイラストを用いてその世界観を想像する手助けをしています。
特に力強く文字の大きさもまちまちに表現することで同時にその禍々しさも表現しているのです。
また、帯(表紙とは別に本の外側に巻きついてるもの)で他人からの紹介などを受け、読者は想像のヒントを得ることが出来ます。
小説においてはタイトルと表紙でお客様の手に取られるか否かは変わってきますが、買われるか否かはその絶妙はヒントなのです。
タイトルから連想できない画像・イラストを用いる
上の表紙の「音叉」ですが、一見、ブーツとは関係が無いように思われます。
しかし、小説の中身を読んだことの無い読者はこの関係性が気になって仕方がありません。
文字のフォント自体は真面目なような印象を与えますが、背景やブーツのイラストとはまたギャップがあります。
小説の表紙では文字数で情報を多く与えるのではなく、視覚的なヒントを与えるデザインが良いでしょう。
まとめ
ひとまとめに「本」の表紙デザインと言っても様々な違いがあることが分かりました。
しかし、どの本も共通する「お客様に手に取ってもらう」為にどのようなデザインが良いのかと考えるのが、より良い表紙デザインの基本です。
初めは不安もあると思いますが、頑張ってください!