イラストを描き始めようと思っている方やもう既にイラストレーターとして働かれているかたの中には「イラストレーターってあまり稼げないって言うしなあ。」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
中にはイラストの力を他の働き方に活かすことが出来ます。
イラストも綺麗さや見栄えの部分で見る側を意識することが出来るのは大きなメリットです。
今回はイラストレーターが自分のスキルを活かして活動できる他の働き方をご紹介します。
目次
イラストを応用すれば他の仕事も出来る!
イラストを描くことが出来るのは大きなメリットです。
イラストレーターはクライアント(発注者)の要望に沿ったイラストを描くことを仕事にしている方々のことを言います。
また、自身の作品を他の人に見てもらうことを意識した制作活動をしていることは仕事をするうえで必要な意識です。
デザイナーを始め、他の仕事でも普通の方よりも早く仕事が出来るようになるでしょう。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザインとはデザインを通して情報を伝える表現手段のことです。
グラフィックデザインはポスターや雑誌の画像や書籍の表紙などに用いられる画像などに用いられています。
それでは詳しくグラフィックデザイナーについてご紹介していきます。
仕事内容
グラフィックデザイナーの仕事はポスターや新聞・雑誌の広告デザインをはじめ、パンフレット、書籍や雑誌の表紙のデザイン、店舗の看板などのデザインを作る事です。
仕事の幅が広いため、Photoshopなどの画像編集ツールを完璧に使いこなすことが必須になるでしょう。
給料
グラフィックデザイナーの年収ですが、大手の企業だと30代で1000万円ってこともあるそうです。
ただフリーランスになると仕事を取りに行く時間は制作の活動ができないということを考えて、大体300~400万円程になるでしょう。
メリット
グラフィックデザイナーになるメリットとしては、スキルさえしっかり付けることが出来れば、仕事の幅と案件数が多いため、「あれ、仕事が無い…。」なんてことは起こりません。
また、他の仕事であってもPhotoshopなどの画像編集ツールを活かす仕事であれば、問題なくこなすことも出来るようになるはずです。
デメリット
デメリットはその案件の単価の低さです。
企業に勤めている方でも仕事量はとてつもないものになります。
さらにフリーランスの方となると自身で営業しなくてはいけませんし、その時間を制作に当てられないとなると、グラフィックデザイナーの仕事だけで生きていくのは厳しいです。
漫画作家
今では漫画作家は「医者の次に難しい職業だ」とも言われていますね。
自身の作品を出版社に通して販売をするので、自身の知名度・人気度の他にどの出版社を通すかで収入が変わってくるそうです。
基本的に出版される漫画が日本人全員に認知されることはないので、まずはどのくらい認知度を上げられるかの勝負となります。
仕事内容
漫画作家の仕事は自身の作品を出版社に持ち込みするところから始まります。
その持ち込みが通れば作品を書き、その出版社の納品期限に合わせて納品していきます。
給料
週刊連載をしている漫画家の場合、収入は「原稿料」が基本となります。原稿料は、だいたい1ページあたり数千円〜数万円になり、この額は漫画家と出版社の間で決められています。
もうひとつ、漫画家は「印税」でも収入を得ています。人気がある作品は単行本(コミック)化され、漫画家はその発行部数に応じた印税を得ることができるのです。単行本の印税の場合、著者の取り分は8%〜10%程度といわれています。
そのため漫画作家さんによって月収数万円~数千万円と大きく差が出てきます。
メリット
漫画作家は基本的に連載が続いている間は原稿料や印税が入ってくるのでお金に困ることはないでしょう。
また、自身の漫画のストーリーや絵にファンになってくれる方も出てくるとより一層、制作活動に精が出ます。
デメリット
漫画作家は出版社へ継続的に作品を納品しなければなりません。
その結果、毎日机にかじりつくことになり、中には休みなく働き、腰や身体を壊してしまうことにもなります。
また、出版社を通して多くの人に見られるので、批判の声を嫌でも聞かなくてはなりません。
一人で描いている時よりも縛りやルールなどが存在するため、描きにくさというものは生じるでしょう。
ブックデザイナー(装丁家)
ブックデザイナーという職業を知っている方は少ないのではないでしょうか。ブックデザイナーは装丁家(そうていか)とも呼ばれます。
名前から本に関するクリエイティブな仕事ですが、何をしている職種なのでしょうか。
仕事内容
ブックデザイナーにはフリーランスの方が多く、主な仕事は書物のジャケット・表紙・扉・帯などの外装のデザインから版型(本の寸法)・版面(紙に対して印刷がされる面)・見出し・本文書体などの内部構造を決めることです。
給料
技能によって異なり、大体20代で320万円、30代で450万円、40代では48万円にもなります。
仕事内容はイラストレーターに比べて地味なものが多くなりますが、その分人手が少なく収入も安定している方が多いです。
メリット
本が好きな人にとって、自分がイメージしたブックデザインが商品として世に出版されるブックデザイナーとしての仕事は、とてもやりがいを感じられる仕事です。
自身の制作活動によってその本が世に知られるのはかなりのメリットと言えるでしょう。
デメリット
また、メリットと表裏一体ですが、自身の制作活動がその本を売れなくするということがプレッシャーに感じる方もいるでしょう。
また、ブックデザイナーになるのは一握りの人で、コネクションも無ければ厳しいということもデメリットと言えます。
アニメーター
アニメーターの主な仕事はキャラクターやその背景を描くことを仕事にしています。
作画の際には、シナリオや企画に沿う絵を指示通りに描いていきます。
アニメーターが手掛ける絵には「原画」と「動画」の2種類があり、原画とはアニメーションの動きの中でポイントとなる絵、動画は原画と原画の間に挟まる絵を指します。
ちなみにアニメーターも基本的にはフリーランスが主体の職種です。
仕事内容
脚本家が書いた脚本と演出家が書いた絵コンテ(アニメの撮影前に用意される映像の設計図)をもとに原画を書き、その原画と原画の間になる絵を描いていきます。
その間の枚数はその時々によって違い、毎回指定されます。
給料
日本アニメーター・演出協会(JAniCA)のアニメーターの年収に関する調査では、20代が110万4,000円、30代が213万9,000円という数字が公開されています。
やはり、若いうちは他の職種と比べると収入が低い仕事であることが否めません。
メリット
他のクリエイティブな職種と同じく、アニメが好きな方はこれほどやりがいのある仕事は無いでしょう。
基本的にフリーランスが雇われることが多いので、シーズン毎に自身の好みに合わせた作品を手掛けることが出来ます。
デメリット
やはり、お金がデメリットに挙がります。
30分のアニメにおいて3,500枚のイラストを描くので、労働量に比べて給与が低くなってしまいます。
もちろん、一人で手掛けるわけではありませんが、100人で手掛けるとしても一人35枚書かなくてはならないので、かなり厳しいところではあります。
絵本作家
子供の頃に絵本にお世話になっていた方も少なくないのではないでしょうか。
今では絵本を通じて日本語以外の勉強をさせるような教育法も出ているほど、子供に影響力を持っています。
仕事内容
絵本作家の仕事は、絵本のストーリーを決め、絵を描き、絵本を制作、出版することです。
絵本作家は特に出版しても生計を立てる程の収入を見込めるまで時間と努力が必要になります。中には他のクリエイター業務を兼業している方が多いです。
給料
絵本作家の収入は基本的に漫画作家と同じく「原稿料」と「印税」です。
漫画作家よりも工数が多いため原稿料は4,000~5,000円程になり、印税は出版社により異なり7%~12%程のバラつきがあります。
後はその人の作品がヒットするか否かで大きく変わってきますので、あまり明確な平均年収はありません。
まず、絵本作家を目指すのであれば兼業を前提にしておいた方が良いです。
メリット
絵本を作成し、子供が喜んでくれるというやりがいはもちろんのことですが、その他にも絵本を通じて教育の一助になれることをやりがいにしている方も多いようです。
給与が少ない絵本作家さんでも、「勉強の嫌いな子供が〇〇さんが描いた算数の絵本であれば、毎日楽しく読むことが出来るんです。」という声を聞くことが何よりのやりがいになっているという声もあります。
デメリット
やはり、給与の面で不安はあるようです。
絵本というのは子供がターゲットになるので、言葉選びも慎重にならなければなりませんし、イラストも綺麗な物よりは想像力を働かせて読むようなイラストの方が売れる分、本来描きたかった絵を描くことが出来なかったりします。
CGクリエイター
CGというのは「コンピューターグラフィック」の略です。その名の通りCGクリエイターはコンピューターを用い、グラフィックを制作する人のことを指します。
CGにも基本的には2Dと3Dの2種類があり、専用のソフトを用い、アニメーションなどの動きのある制作業務を行います。
仕事内容
他のクリエイター系の職種もそうですが、CGクリエイターはまだ少ない職業なので企業でたっぷり経験を積んだのちにフリーランスになることが多いようです。
まずはしっかりスキルを付けえなければ、独立は難しいでしょう。
給料
収入は勤務先によって異なりますが、基本的には300万円~500万円です。
基本的に高い収入を得ているCGクリエイターはごく一部のベテラン層で、新人の間は低給与になります。
メリット
ベテラン勢になれば、依頼の範囲内であれば自身の作りたいものが作れ、大きな仕事も受けることができ、やりがいも生まれるでしょう。
フリーランスとしてどこでも好きな場所で仕事が出来る上、給料も、安定して入ってきます。
デメリット
新人の間はベテラン勢のサポートに回ることが多いので、最前線でやりがいのある仕事が出来るわけでもありません。
さらに、ベテランになるまで低給与で続けることが出来る人も少なく、途中でやめてしまう方が多いです。
ゲームクリエイター
今では誰でも子供の頃にTVゲームなどをプレイしたことがあるでしょう。あのゲームは一つをとっても何十種類の職種の人が様々な役割を担い、制作しているのです。
一般的にゲームクリエイターという職業を指す場合、ゲームの企画をする人のことを指すようなので、今回はその方々についてご紹介します。
基本的に企画する側だけで3種類の役割があります。
- マネージャー
- ディレクター
- プランナー
各種について説明します。
仕事内容
- マネージャー…組織全体の指揮、スケジュール管理などを行う。
- ディレクター…マネージャーが立てたスケジュール通りに進ませるための管理を行う。
- プランナー…組織のアイディアマンとしてゲーム全体のストーリー性に焦点を当て指示を出していく。
給料
- マネージャー・・・平均年収600万円(20代~50代勤続の場合)
- ディレクター・・・平均年収510万円(20代~30代勤続の場合)
- プランナー・・・平均年収550万円
もちろん、人の技量によって大きく差は発生します。
特にゲームプランナーはアイディアを重視されるので、ゲームプランナーとして収入を安定させるのは厳しいです。
メリット
- マネージャー…自分は実働をしない分、身体的疲労は少ないが給与が高い
- ディレクター…自分のチームを持ち作品を制作することで人一倍達成感を味わえる
- プランナー…自分が考えた作品が世に出すことができる
デメリット
- マネージャー…作品の売り上げの責任がある。
- ディレクター…マネージャーとプレイヤーの意見の板挟みに合い、双方の意見を尊重しなければならない。
- プランナー…アイデアを出す役割なのでそれをしっかり伝えること、また、アイデアが出なければチームに不要になってしまう。
ゲームグラフィックデザイナー
ゲームグラフィックデザイナーは文字通り、ゲームに映し出されるグラフィックの制作を行う仕事です。
ゲームクリエイターの管理職と違い、一人のプレイヤーとして働くことになります。この職種も企業に勤めてからフリーランスになることがよくあります。
仕事内容
先ほど紹介した、ゲームディレクターの指示を受け、ゲームのコーディング(プログラミングを用いてコンピューター上に仕組みを作る)をおこなったりまします。
また、何度もプレイしてエラーやバグが無いかを確かめたりもします。
給料
企業に勤める場合、平均年収は400万円~500万円の間と安定した収入を見込める職種でしょう。
基本的に集中力が必要になる職種なだけに平均年齢は30.9歳と少し若めなのも特徴といえます。
メリット
初めは企業勤めの方がスキルを身に着けやすいですが、一人のゲームエンジニアとしてであれば、フリーランスでも仕事を受けることが出来ます。
基本的にゲームを作成するのは企業なので、納品する際に良いもの(エラーが無いなど)を納品すれば、再度受託を受けることもでき、リピートも受けやすいです。
デメリット
フリーランスとして、自身が制作しているゲームの中核の制作には携われないことが多くあり、末端の末端の仕事をやることにやりがいを感じられないことが多いでしょう。
また、企業に納品するということで、エラーを出してはいけないことがプレッシャーに感じ、仕事を取るのが怖くなってしまう人もいます。
Webデザイナー
良質なサイトを作る点においてとても重要なのは閲覧者がストレスを感じにくいデザインにすること。その重要な役割を担うのがWebデザイナーです。
今、インターネット市場が勢いのある中でとても需要のある職種と言うことが出来るでしょう。
仕事内容
Webデザイナーは企業や個人のクライアントから依頼されたWebサイトのデザインを作ることです。
クライアントによって仕事内容は異なりますが、基本的にはホームページなどのサイト制作になります。
給料
市場が大きいにもかかわらず、Webデザイナーの平均年収は300万円~400万円と、需要の数からすると少ないです。
これは特にWebデザイナーになるための資格もないためにフリーランスのWebデザイナーが増えているからです。
メリット
市場が大きいことから給料は少ないですが、仕事は沢山あります。
また、サイト制作の需要が多い分、口コミ十分仕事が舞い込んできやすくなり、自身で営業をする必要が無くなります。
デメリット
やはり、給与が少ない分Webデザインのみで生計を立てている方は少ないです。
なので、Webデザインの専門家になるのではなく、イラストレーターや他のクリエイティブ業務を専門としている方で収入が少ないという方がWebデザイナーと兼業する人も多いです。
まとめ
クリエイティブな職種には「ここはこうすべき。」などという正解はありません。つまり、あなたの技能を買われることがほとんどです。
となると、人が多いため統計上、自然とその職種の平均収入は下がってしまいます。
今回は収入を中心にクリエイティブな職種をご紹介しましたが、実際のところ数字を気にする必要はありません。
あなたがその職種にどれほどまで注力し、技能を上げることに貪欲になれるかが一番重要です。あなたに情熱があるのであれば頑張ってください!